膠原病・リウマチ内科
膠原病・リウマチ内科のご紹介
膠原病は、免疫系が自分自身の組織や臓器を攻撃してしまう「自己免疫疾患」に分類される病気の総称です。膠原病には、関節や筋肉、皮膚、血管、内臓などの様々な組織が関与し、多岐にわたる症状を引き起こすことが特徴です。原因は未だ完全には解明されていませんが、遺伝的要因や環境要因が組み合わさって、免疫の異常が引き起こされると考えられています。
膠原病やリウマチの主な疾患については以下の通りです。
当院では消化器疾患、肝臓疾患の他に、膠原病・リウマチ疾患の診療にも力を入れています。
膠原病・リウマチ専門医師による基幹病院と連携した専門的診療を行っています。
診療を行っている主な疾患
- ◆ 関節リウマチ(*備考1)
- ◆ 悪性関節リウマチ
- ◆ シェーグレン症候群(*備考2)
- ◆ 全身性エリテマトーデス(*備考3)
- ◆ 抗リン脂質抗体症候群
- ◆ 全身性強皮症
- ◆ 混合性結合組織病
- ◆ 成人発症スティル病
- ◆ 皮膚筋炎・多発性筋炎
- ◆ ベーチェット病
- ◆ 結節性多発動脈炎
- ◆ ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)
- ◆ 高安動脈炎(大動脈炎症候群)
- ◆ 巨細胞性動脈炎
- ◆ リウマチ性多発筋痛症
- ◆ RS3PE症候群
- ◆ IgG4関連疾患
- ◆ 乾癬性関節炎
- ◆ 掌蹠膿疱症性骨関節症
- ◆ 脊椎関節炎(強直性脊椎炎)
- ◆ 反応性関節炎
- ◆ 自己炎症性症候群(家族性地中海熱など)
- ◆ 線維筋痛症 …など
*備考1 関節リウマチ
概要・病因 |
関節リウマチは、日本には約80万人ほどの患者さんがいるとされ、40~50歳代の女性に多い病気ですが、若年者・高齢者、そして男性も発症します。本来は細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための免疫機能が、何らかの原因で不具合をおこし、結果として関節が炎症を起こし、関節の腫れや疼痛をきたしてしまう疾患です。治療が適切に行われず炎症が持続すると軟骨や骨をいため破壊や変形をきたし機能障害を伴います。早期に適切な診断を受け、適切な治療を専門医の元で行っていくことが大切です。 |
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症状 |
手指、手首、足趾、肘、肩、膝などの関節の数カ所にこわばり、痛み、腫れを認めます。症状は数日の安静のみでは軽快せず、一ヶ月以上も症状が続き徐々に悪化することが多く見られます。起床時に症状が特に強く見られ、時間経過とともに軽快すること、関節は熱を持ち、腫れて痛むのが特徴です。 |
検査 |
〇血液検査 〇画像検査 |
治療 |
近年、関節リウマチの治療法は飛躍的に進歩し、寛解状態(病気の勢いがおさまった状態)にまで到達することが実現可能になりました。抗リウマチ薬を代表するメトトレキサート、生物学的製剤、JAK阻害薬など、治療効果の高い薬物が登場し種類も豊富となり選択肢も広がりました。専門医のもとで病状をしっかりと評価した上で、状態に合った薬物と用量を選択し適切に用いる事が大切です。 診断後早期にメトトレキサートを第一選択とした抗リウマチ薬を開始し、3~6ヶ月以内に寛解あるいは低疾患活動性(病気の勢いが弱い状態)に達することを目指します。目標に達しない場合には、生物学的製剤を含めた他剤への変更あるいは追加を考慮します。 |
*備考2 シェーグレン症候群
概要・病因 |
シェーグレン症候群は、涙腺、唾液腺をはじめとする全身の外分泌腺に慢性的に炎症が起こり、外分泌腺が破壊されてドライアイやドライマウスなどの乾燥症状が出現する病気です。 本来、細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための免疫系が自分自身を誤って攻撃する、自己免疫という現象が重要な原因のひとつと考えられています。国内の推計患者数は約7万人とされており、女性に多い疾患で、主な発症年齢は40~60歳代とされています。 |
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症状 |
〇外分泌線の障害による異常 (腺症状・乾燥症状) 〇乾燥症状以外の異常 (腺外症状) |
検査 |
〇血液検査、尿検査 〇眼科検査 〇唾液分泌機能検査 〇画像検査 |
治療 |
腺病変に対する治療は、ドライアイ、ドライマウス、ドライスキンなど乾燥症状に対する 症療法が中心となります。乾燥症状以外の腺外症状に対しては、重症の場合は副腎皮質ス テロイドや免疫抑制剤といった治療薬を用いることがあります。 |
*備考3 全身性エリテマトーデス(SLE)
概要・病因 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は、本来は細菌やウイルスなどの外敵から身を守るため の免疫系が、何らかの原因で自分の細胞に対する抗体をつくってしまい、自分で自分を攻撃してしまう病気(自己免疫疾患)です。自己抗体(自分に対する抗体)や免疫複合体(抗原と抗体が反応してできる結合体)ができるのが特徴で、それにより全身の皮膚、関節、血管、腎臓などが侵されてしまいます。1万人に1人くらいが発病し、とくに子供を産むことができる年齢20~40代の女性に多く、男女比1対10程度で女性に多い病気です。 |
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症状 |
〇皮膚症状 〇口腔内潰瘍 〇日光過敏症 〇関節炎 〇腎臓の症状 〇神経の症状 〇血液の異常・血栓症 〇流早産 〇その他 |
検査 |
〇血液検査、尿検査、胸部レントゲンなど |
治療 |
重症度、病気の広がり方、体重などにより、薬の種類や量を決めていきます。 一人ひとり治療も様々ですが、治療法の飛躍的な進歩に伴い予後は改善しており、5年生存率は、1950年代は50%とされていましたが、現在では95%以上にまで改善しています。早期に適切な診断、下記薬剤による治療を行い、その後もしっかりコントロールしていくことが重要です。免疫を抑える治療を行うため、感染予防のため、うがいや手洗いの習慣をもちましょう。状況に応じ、日和見感染を予防するための投薬を行うこともあります。 〇副腎皮質ステロイド 〇免疫調整薬 〇免疫抑制薬 〇生物学的製剤 |